目的と条件

 1.目的、条件

   ・360度カメラの撮影映像でVR体験できる (②④⑥⑦)
   ・360度カメラの撮影映像でビューデザイン編集できる (②④⑥⑦)
   ・VRコンテンツの編集設定できるVR再生ツールを提案する (②④⑥⑦)
   ・HMDの課題を意識した機器構成と映像表現の対策案を提供する (③⑤⑥⑦)
   ・サイト公開できるブラウザベースのツールを開発する (プロジェクト方針)
   ・[今回は対策なし] (①)

 2.全体像の現状課題

   ①映像撮影と映像表示  →  8K撮影⇒FHD表示の実現」
   ②映像編集       → 「編集コストの削減」
   ③HMD        → 「ハイスペックハード構成とVR酔い対策」
   ④VR再生ツール    → 「現状、需要が少ないためアプリが進化しない」
   ⑤VR酔い       → 「ブレやユレを抑え、ボケを減らす対策が必要」
   ⑥VR個人利用     → 「個人利用だと費用面で活用が難しい」
   ⑦VRイベント     → 「VRイベントは、開催費用が高額になる」

全体像

 1.映像撮影と映像表示

   現状課題:「8K撮影⇒FHD表示の実現」

   近年、360度カメラは、高解像度の方向に進化しています。
   現状のカメラ解像度、切出解像度、表示レベルは、以下の通りです。
    カメラ解像度 :5.7K~8K(現状の8Kは環境影響を受けやすい)
    切出解像度  :HD~FHD(8K入力⇒FHD出力できるアプリが少ない)
    モニター表示 :粗さが気にならないレベル(遠目からだと気にならない)
    HMD表示  :粗さが気になるレベル(拡大ボケが気になる)

   VR体験用には、撮影画質や撮影解像度が不足している状況です。

 2.映像編集

   現状課題:「編集コストの削減」

   360度カメラの映像編集は、通常編集より画質低下に対して注意する
   必要があります。(映像切出するため)
   特に、コーディックの解凍圧縮する工程が画質低下に影響します。

   画質維持の方法は、以下の通りです。
   ・画質劣化の少ないハイスペックな編集ソフトとハードを使用する
   ・画質劣化する変換や編集を減らす方法を選択する

   多彩な編集を行うなら、編集機材一式が必要で高額になります。

 3.HMD

   現状課題:「ハイスペックハード構成とVR酔い対策」

   市販のHMD構成は、以下の通りです。
    HMD(高解像) :HTC-Vive、Oculus、PMAXなど
    HMD(WMR) :HP、Acer、Fujitsu社製品など
    スマホVR    :ハイスペックスマホ+VRゴーグル

   さらにHMDには、VR対応のハイスペックPCが必要になります。
   また、「VR酔い」の課題があるため、一般普及が進みません。

 4.VR再生ツール

   現状課題:「現状、需要が少ないためアプリが進化しない」

   VR再生アプリの状況は、以下の通りです。
    HMD用再生アプリ:HMD提供アプリ、無料アプリなど
    スマホ用再生アプリ:カメラ提供アプリなど
   VR動画の再現レベルは、映像が「ボヤけた感じ」です。
   開発から数年経過し、最新の高解像度に対応できていない状況です。
   また、カメラ提供アプリもVR体験には力を入れていない様子です。

   8Kカメラ普及までは、大きな変化はないと推測しています。  

 5.VR酔い

   現状課題:「ブレやユレを抑え、ボケを減らす対策が必要」

   VRが発展しない理由の一つに、「VR酔い」があります。
   これは、動揺病の一種で、感覚不一致が原因と言われています。
   実際、次の状況のVR体験で、頭を縛られる感覚が現れました。
   ・ふわふわユレる、激しくブレる(症状:車酔い)
   ・ボヤけた映像で視点が合わない(症状:頭がだるくなる)
   対処方法は、以下の通りです。
   ・撮影時のブレやユレを抑える
   ・高解像度機材や超解像技術を活用する
   
   撮影配慮はもちろんですが、HMDの技術対策の進化も必要な状況です。
   また、VR普及のため、影響の少ないHMD以外の方法も活用すべきです。

 6.VR活用(個人)

   現状課題:「個人利用だと費用面で活用が難しい」

   VRゲームを目的に購入しないと、費用対効果を期待できません。
   理由は、他のアプリがあまり進化していないためです。
   VRゲームの機材構成例
    ハード構成(高解像): 50万円~(ゲーミングPC、HMDセット)
    ハード構成(WMR): 20万円~(ゲーミングPC、WMR)

   発展途上であるVR機材は、今後も現状価格を維持すると推測しています。
   かなり魅力的なゲームやアプリがないと、手を出しづらい状況です。

 7.VR活用(イベント)

   現状課題:「VRイベントは、開催費用が高額になる」

   VR活用には、ハード、コンテンツ作成、VR再生ツールの費用が発生します。
   また、最新の技術や機材を選択すると、さらに高額になります。
   VRイベントの準備費用例
    ハード(1セット): 50万円~(ゲーミングPC、HMDなど)
    コンテンツ作成  : 数百万円~(作成依頼 or 機材と編集ツール購入)
    VR再生ツール  : 数十万円~(専用ツール開発など)

   VR機材は、発展途上であり、現状1年で古い機種になります。
   また、VRの再現性など、安易に最新技術を信用することもできません。
   現状は、高額投資で積極的に推進することは困難な状況です。