全体像

 ①全体(360VR活用)

  「360VR活用の環境」

   最近、コンシューマ向け360度カメラに「1インチセンサー」が採用されました。
   このおかげで、Pro仕様の「解像感、高感度、色彩と階調」を、コンシューマ向
   けカメラでも体験できる時代になりました。
   特に、5.7Kの同じ解像度でも「遠くのぼやけ感が解消」しており、「映像切出」
   を比較すると顕著な画質改善を確認できます。これは、VR体験コンテンツとして、
   今までより活用の幅を広げる進化として期待できるレベルです。
   ただ、HMDに使用するVRコンテンツは、最低でも「8K映像⇒FHD切出」の
   解像度がないと粗さを感じてしまうため、今後「8K録画の対応」がカメラにおけ
   る課題だと考えています。
   また、360度カメラ以外にも、3D空間モデルをゲームエンジンでレンダリング
   するVRコンテンツ製作も事例が増えてきています。
   今後は、仮想空間を録画し、記録映像をVR体験コンテンツとして活用する事例も
   増えていくと感じています。

   現状課題:「8K録画の対応」

 ②開発(VR機能)

  「VR再生ツールの機能条件」

   現在、VR再生ツールは、HMD付属や無料アプリなどの利用がほとんどです。
   これらは、動画ファイルを再生する機能のみであるため、事前に動画編集ソフトで、
   VRコンテンツを制作しておく必要があります。
   また、VR再生ツールは、需要が少ない影響もあり、コンシューマ向けのツールは、
   ほとんどが「8K対応」していません。
   そのため、個人でVR体験する環境を整えるには、「各自で条件を満たすツール」
   を探し出す必要があり、存在しない場合は「ビューワー開発」するしかありません。
   このような状況があるため、一般でのVR活用が困難となり、「VR体験」の敷居
   を高めていると考えています。

   現状課題:「現状、一時的に利用するVR再生ツールしかない状況」

 ③開発(VR機能)

  「コンテンツ編集の機能条件(コスト削減)」

   360度カメラの動画ファイルは、高解像(5.7K~8K)となるため、解像度を
   維持した動画編集を行う場合、ハイスペックな編集ソフトとハードが必要となります。
   また、タイトル(文字、画像)、コメント(文字)の編集にも、専門知識と専用機能
   が必要となため、VRコンテンツ制作を「高コスト」にしています。
   この「高コスト」を回避できれば、VRコンテンツ制作は「低コスト」にできます。
   例えば、「バッチ処理の動画編集」「再生編集機能(再生位置、タイトル、コメント)」
   の組合わせと、PCスペック(第8世代i5+GTX1060以上)があれば、同様
   の編集が「低コスト」で実現できると考えています。

   現状課題:「VRコンテンツ制作を低コストにする機能」

 ④機材(VR機材)

  「VR機材の仕様条件」

   HMDのPro仕様とコンシューマ仕様は、以下の通りです。
              Pro仕様     コンシューマ仕様
    解像度       2880×1600以上   2880×1600以上
    視野角       120度以上    100度以上
    リフレッシュレート 120Hz以上   90Hz以上
    視線追跡      あり or なし     なし
    トラッキング    ベースステーション インサイドアウトなど
    HMD費用     15~20万円   5~10万円
    PC費用      25~30万円   15~20万円
   Pro仕様の違いには、以下の効果があります。
    視野角、リフレッシュレート、視線追跡 ⇒「没入感を高め、違和感を減らす」
    トラッキング             ⇒「トラッキング精度の向上」
   この「Pro仕様」を優先するか、「コンシューマ価格」を優先するかが、現在の
   選択ポイントと考えています。
   なお、違和感を減らす点は、「VR酔いの軽減」につながるため、十分考えて検討
   する必要があります。

   現状課題:「VR活用におけるVR感覚とVR費用の選択」

 ⑤課題(VR酔い)

  「VR酔いの対策」

   VR普及が進まない理由に、「VR酔い」の存在があります。
   これは、「動揺病の一種で、感覚不一致が原因」と言われています。
   「VRコンテンツ」による「VR酔い」の要因は、以下の通りです。
    ・映像が、ふわふわユレる、激しくブレる(症状:車酔い)
    ・映像が、ボヤけて視点が合わない(症状:頭がだるくなる)
   「HMD」による「VR酔い」の要因は、以下の通りです。
    ・視野角が狭い(切れ目を感じる)
    ・モーション反応が遅い(表示遅れを感じる)
    ・視線の感覚が違う(視線の周囲を感じる)
   これら、「VRコンテンツ」「HMD」の要因に対処を行うことが、「VR酔いの
   対策」になると考えています。
   例えば、撮影時の配慮、ハードの水平やブレ補正、HMD選択時の考慮などが、現
   在できる対処方法です。

   現状課題:「VR酔いには、VRコンテンツ制作の配慮、HMDの考慮が必要」

 ⑥活用(個人)

  「VR活用の個人環境」

   現状、VR活用の個人環境を整えるには、VR機材の費用が高いため、費用対効果
   を考えると手を出しずらい状況です。
   特に、個人で活用できるVRコンテンツが、「VRゲーム、VRSNS」に限定さ
   れており、他のツールやサービスがあまり進化できていないことも、この状況を作
   る要因だと考えています。
   ただ、「360動画、3Dモデル、メタバースなど」のツールやサービスの普及次
   第で、この状況は変化すると感じています。
   更に、その時期は、VR活用の個人環境を充実させることで早まると思います。
   今後は、「360カメラ、フォトグラメトリ、ゲームエンジン、NeRF」など、
   「360動画、3Dモデル」のVRコンテンツ、ツールなどのサポート環境を充実
   させ、VR活用を身近に体験できる環境づくりが必要だと考えています。

   現状課題:「VR活用を推進するには、VR体験のサポート環境が必要」

 ⑦活用(イベント)

  「VR活用のイベント環境」

   VR活用には、一般公開を意識した活用ツールが必要と考えています。
   現在のVR活用は、VR体験するにはVR機材の購入が必須の状況であり、それ以
   外の人は、インターネットを介した情報公開から、VR活用を想像するだけです。
   その状況では、VR活用の必要性を感じることはできないと思います。
   実際、メタバースがバズワードとなり、世間の注目を集めましたが、SNS情報か
   ら将来の利便性をイメージできてる人は、どれくらいいるのでしょうか?
   情報共有が先行し、イメージだけが膨らんだ状態とは考えられませんか。
   今後、VR活用を考える上で、既存からの想像だけでなく、目的を実現する想像か
   ら利便性を作る必要が出てくると思います。
   そして、これまで存在しない発想を生み出すには、目的を実現するための最新技術
   を多くの人が体験できる環境作りが必要と考えています。

   現状課題:「将来をイメージするため、最新技術を体験できるVRイベントが必要」

目的と条件

 ・360度カメラの撮影映像でVR体験できる (②③⑥⑦)
 ・360度カメラの撮影映像でビューデザイン編集できる (②③⑥⑦)
 ・VRコンテンツの編集設定できるVR再生ツールを提案する (②③⑥⑦)
 ・HMDの課題を意識した機器構成と映像表現の対策案を提供する (④⑤⑥⑦)
 ・サイト公開できるブラウザベースのツールを開発する (プロジェクト方針)
 ・[目的、条件の対象外](①)