コンテンツ撮影(GoproFusion編)

360度カメラ(GoProFusion)によるコンテンツ撮影の手順は、以下の通りです。


 <内容>
  1.GoproFusionのメリットと今後の動向
  2.GoproFusionのセット内容と別途購入品
  3.GoProFusionのスペックと注意点
  4.VRコンテンツの撮影
  5.GoPro Fusion Studioの環境条件と編集準備
  6.GoPro Fusion Studioの編集


1.GoproFusionのメリットと今後の動向

 GoProFusionは、GoPro初の360度カメラです。
 特徴は、5.2K/30fpsの高解像度映像、高性能スタビライザーにより、
 実用的な「オーバーキャプチャー」の実現でした。
 実際、当時の5Kの360度カメラの中で、最も高画質に撮影できました。

 VRコンテンツは、「オーバーキャプチャー」の品質が重要となります。
 切取編集の後でも、高画質でブレない映像になる性能が必要なのです。
 その点で、「GoProFusion」はバランス的に優秀なカメラです。
 2019年時点では、一番お薦めのカメラでした。

 現在、Fusionより高性能な360度カメラは複数あります。 (2022年時点)
 例えば、Insta360OneX2、GoproMAX、QooCam8Kなど
 GoproFusionより高画質で安定した撮影が可能です。
 ただ、ツール向けのコンテンツ制作が目的なら、「ブレない8K画質」を
 撮影できる360度カメラが必要と実感しています。
 その点では、現在のカメラでも「あと一歩足りない」状況です。

 この「あと一歩」は、早ければ2年以内に解消すると推測しています。
 今後、「ブレない8K画質」を撮影できる360度カメラが発売したとき、
 このようなツールによるVR活用が増えていくと考えています。   

2.GoProFusionのセット内容と別途購入品

 <セット内容>
  ・本体
  ・専用ケース
  ・自撮り棒&三脚一体型グリップ
  ・バッテリー
  ・USB-TypeCケーブル
  ・接着マウント2種
  ・マウント用フィンガーに使うネジ
  ・取扱い説明書やステッカー

 <別途購入品>
  ★microSDカード2枚(書込60MB/秒以上 表記: UHS-3 V30 )
   ※対応SDカード※ SanDiskExtreme、SamsungEVOplusなど
  ★高速カードリーダー(USB3.0、12倍速など)
   ※対応カードリーダー※ Buffalo BSCR26TU3BKなど

 <その他>
  ・予備バッテリー(純正:ASBBA-001)
  ・スマートリモート(純正:ARMTE-002-AS)
  ・データ保管用ハードディスク
   ※データ退避、編集作業に、モバイルHDDがあると便利です※
  ・撮影機材(例えば、一脚+トライポッドマウント)
   ※目的は、目線位置で揺れを抑えて撮影するためです※

   MicroSDカードは、枚数と仕様を間違わずに購入してください。
   ・枚数:2枚
   ・仕様:書込60MB/秒以上 (表記: UHS-3 V30 )

   高速カードリーダーは、購入を強くおすすめします。
   カメラ⇒USB転送⇒PCは、64GBx2枚だと1時間以上です。
   高速カードリーダーなら十数分です。
   (USB転送は、不安定になる事例もあるようです。)

   予備バッテリーは、以下を参考に判断してください。
   バッテリー1個は、約60分です
   (64GBx2枚の撮影時間:約120分)

3.GoProFusionのスペックと注意点

 <スペック>
  ・動画解像度   5.2K/30fps、3K/60fps(2.0β:5.6K/24p)
  ・静止画解像度  18MP
  ・防水      5m防水
  ・音声      360度音声/風切り音低減
  ・幅x高さx奥行き 74x75x40mm
  ・本体重量    220g
  ・microSDカード  64GBx2 約120分(5.2K/30fps、3K/60fps時)
  ・バッテリー   約 60分(1個あたり)
  ・連続撮影時間  20分以内(60分で熱停止する)

 <撮影時の注意点>
  ・連続撮影は、熱が蓄積するので20分以内にしてください。
   (60分連続撮影すると、停止後冷めるまで起動しません)

4.VRコンテンツの撮影

 <HMD用VRコンテンツの撮影ポイント>

  ・手持ち撮影時、上下振動を抑えてください。
   ⇒VR体験時の「フワフワ感」が抑えられます。

  ・手持ち撮影時、前後速度を一定にしてください。
   ⇒VR体験時の「ユラユラ感」が抑えられます。

  ・自撮り棒の手持ち撮影時、カメラが揺れないようにしてください。
   ⇒VR体験時の「ユラユラ感」が抑えられます。

  ・ヘルメット撮影時、首の回転軸に合わせカメラを設置してください。
   ⇒FullStabilizer編集時、首が動いても映像の違和感が少なくなります。

  ・撮影前に、撮影者の立ち位置を決めてください。
   ⇒撮影者が見えない、または見せない撮影のため必要です。
    (例えば、全周重視ならカメラ下、目線重視ならカメラ後ろとか)

  ・風景重視の場合、一脚、自立一脚などを使用した撮影を検討してください。
   ⇒映像の違和感(フワフワ、ユラユラ、ボケ)が抑えられます。

  ・動き重視の場合、位置固定か回転軸を意識したカメラ設置をしてください。
   ⇒FullStabilizer編集時、映像の違和感(ブレ、ユラユラ)が抑えられます。

 <違和感の原因、回転軸の影響>

  ・フワフワ感の原因は、「緩やかな上下の揺れ」です。

  ・ユラユラ感の原因は、「ズーム、視線ズレによる映像の微小差」です。

  ・瞬間的ボケの原因は、「揺れや視線ズレによるフレーム間の微小差で滲むこと」です。

  ・回転軸の影響は、「回転軸がズレなければ、視線ズレが発生しません。
            360度カメラの場合、映像記録の位置が変化するだけです。」

  撮影ポイントは、GoPro FusionのFullStabilizer機能で抑えきれない部分をピックアップしました。
  意識し撮影することで、映像品質が向上しVR酔いの影響が少なくなると考えています。

  違和感の原因、回転軸の影響は、撮影方法の検討するため、理解が必要と考え記載しました。
  実際、撮影してVR体験することで理解できると思います。

5.GoPro Fusion Studioの環境設定と編集準備

  GoProFusionStudioは、専用編集アプリです。

 <Goproサイト>
  ・GoProFusion

 <PCスペック>
  ・CPU:Corei5以上
  ・GPU:Intel Graphics 620以上

 <CPU使用率100%になる場合の対処方法>
  実際、第8世代Corei5+GTX1060のBTOパソコンで使用率100%になりました。
  ※現象発生時の設定※
   ・最小のプロセッサの状態:100%
   ・最大のプロセッサの状態:100%

  ①電源オプションの表示
   [スタート]の上で、右クリックする
   [設定]-[システム]-[電源とスリープ]-[電源の追加設定]を選択する

  ②電源オプション[詳細設定]の表示
   [プラン設定の変更]-[詳細な電源設定の変更]を選択する

  ③[プロセッサの電源管理]の階層を表示
   以下の表示にする
    *********************************
     -[プロセッサの電源管理]
      -最小のプロセッサの状態
        設定(%): 100
      +システムの冷却ポリシー
      -最大のプロセッサの状態
        設定(%): 100
    *********************************

  ④[プロセッサの電源管理]の設定変更
   以下の項目を変更する
    *******************************************
    
最小のプロセッサの状態[ 100% → 5% ]
     最大のプロセッサの状態[ 100% → 85% ]
    *******************************************
    ⇒これでCPU使用率85%以内に調整されます。

  GoPro Fusionの評価は、「画質良、編集難」と言われます。
  編集難の理由が、どの場合も「アプリの動作不安定」のようです。
  おそらく、CPU使用率100%が原因と思います。
  タスクマネージャーでCPU使用率90%以上なら確定です。
  その時は、この対処方法を設定してください。

 <撮影データの編集準備>
  ①編集用HDD内に、[編集フォルダ]を作成する
  ②microSD⇒高速カードリーダー⇒編集用HDDの流れで、
   「Front、Backフォルダ」を[編集フォルダ]にコピーする
  ③GoPro Fusion Studioで、[編集フォルダ]を選択する
  ④映像編集を開始する

  PCに128GB以上の空き領域がないなら、USB3.0のHDDorSSDを準備してください。
  理由は、編集作業で読込と書込のスピードが必要になるためです。
  (ネットワークドライブでは、スピード不足になります。)

6.GoPro Fusion Studioの編集

  GoPro Fusion Studioの編集操作は、サイト確認でお願いします。
  検索:GoPro Fusion Studioの使い方

  編集作業は、以下の通りです。
   ①水平位置調整
   ②色合い調整
   ③レンダリング登録
   ④レンダリングパラメータ

   以下は、設定例は以下の通りです。

  <水平設定例>
   *********************************************
    Yaw、Pitch、Roll ⇒中央位置
    Stabilization    ⇒Full Stabilization
   *********************************************

  <色合い設定例>
   ****************************
    温度   128-170
    色合い  128
    明るさ  170
    シャープ 170
   ****************************

  <レンダリングパラメータ設定例>
   mp4(H.264、3840×2160)
   ****************************
    「YouTube」を選択
    ・H.264
    ・4K
    ・Stereo
    ・D.Warp[on]
   ****************************